花見小路通を歩く

koyuki

2009年06月23日 07:20

 北は三条通から南は安井北門通(建仁寺の門)までの約1Kmほどの通りだが、四条通の赤壁に竹矢来のお茶屋「一力」から南は、京都へ来た観光客なら一度は通ったことがある通りだろう。
 
 今回は三条通から歩いてみたが、四条の手前、新橋通を越える辺りまでは、ごく普通の静かな通りだ。古い市営住宅が3棟ほどあって、これと言って目立ったものはなにもない。
 ところが、新橋通を越えると通りは一変する。特に夜はネオン街になり、人通りも増える。四条の手前には京はきものの老舗「ちょぼ屋」がある。そこだけが取り残されたように、回りは無粋なビルが建ち並ぶ。

 ->花見小路通・京都の庭園より
 四条通を越えると、そこにはビルはない。高い建物と言えば祇園甲部歌舞練場ぐらいだ。 元はこの辺り一帯は、建仁寺さんの境内であり、竹藪の中に細い道が通り、塔頭寺院が建ち並んでいたらしい。 明治四年に京都府が出した上知令(土地没収)を受けて、七万坪余りの土地を祇園甲部お茶屋組合が譲り受けて造られた町が今の祇園町南側というわけである。だから無粋な(見下ろすような)ビルは建てられない。
 
 通り名の花見小路は、一力の南辺りにみごとな桜の木があったと言う説もあるが、どうだろう。花街だからと言う方が分かりやすい気もするが。 巽橋辺りの風情や石塀小路辺りもいいが、なんと言っても祇園のメインストリートはここ花見小路通だろう。
 歌舞練場の裏には八坂女紅場学園(祇園女子技芸学校)があり、舞妓さん達が日々芸を磨いている。夕暮れともなるとお茶屋から宴席へ急ぐ姿が見受けられるが、けして写真をせがんだりして邪魔をしないように。
 猥雑であるはずの場所が、簾に隠され、いぶかしいほど洗練されて、その内をのぞくことは簡単にはできない仕掛けになっている。
 歌舞練場へ行く途中で左(西)へ少し入ったところに「萬屋」という饂飩店がある。ここのネギうどんはお勧めだ。京都産の九条ネギが山盛り入っている。
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